能登と言えば鰤（ブリ）。冬の海にブリ起こしと呼ばれる雷鳴がとどろくと、大きな鰤が獲れ始めます。特に「寒（かん）」の時期に水揚げされる「寒鰤（かんぶり）」は絶品です。「こぞくら」「がんど」「ふくらぎ」「ぶり」と成長に応じて呼び名が変わる「鰤」は出世魚として名高く、「ブリカマ」「ブリ大根」「かぶらずし」「巻き鰤」など多種多様な食べ方で、庶民に愛されてきました。

古事記にも記述される「なまこ」。綺麗な岩場・砂地で水が湧くように繁殖します。生命力・再生能力が高く、中国では漢方の高級食材として愛され・珍重されてきました。からすみ・うにと並び日本三大珍味に数えられる 「このわた ・ くちこ」 をはじめ、粋人たちをもって至高の味覚と言わしめる能登なまこは、この地に能登の海と能登人の気質が伝えられるかぎり、珍味の極みとしての座をほかに譲ることはありません。

能登で水揚げされたふぐは古くは、縄文時代から食されており、加賀藩前田家の食卓、豪商のおもてなし料理として深く愛されてきました。中でもふぐ卵巣の糠漬けは石川を代表する発酵食品であり、いにしえの料理人の高い技術とふぐ食への探求心によって生まれた銘品です。能登で愛されてきたふぐ料理には、素朴さの中にも食への情熱が凝縮されています。

甘味、旨味が抜群なのは言うまでもなく、歯に当たるとぷりぷり身がはじける食感はまさに能登の里海の神秘。生食でありながら、エビフライのようにしっかりとした歯ごたえを感じる 「石崎えび」 は地元漁師ですらなかなか口にできない幻の逸品です。

海藻が豊かに茂る能登の海。小魚が生まれる「生命のゆりかご」として現代では「海藻」が大変貴重な時代になりました。海藻の森で育つ「もずく」もまた貴重な存在になりつつあります。能登で獲れる天然絹もずくを厳選して、「能登もずく」としてご提供しております。

開くとまるで翼を広げた鳥のように見える「とり貝」。握りこぶしほども大きさがあり、香り、甘み、食感など、一度食べたら忘れられない銘品として食通をうならせています。特に能登のものは肉厚で歯触りがよく、天然ものは地元七尾でも滅多に口にすることができません。